6. 当センターにおける眼底検査異常所見の検討-加齢黄斑変性症例を中心に

昨年1年間(2000年2月7日~2001年2月6日)に大手前病院総合健診を受診した7,208名(男5,745名・女1,463名)について眼底所見, 特に加齢黄斑変性についての検討を行った. 最も高い頻度を示したのは, 白斑・白内障を除くと黄斑変性で, 特に男性の発生頻度(145例2.52%)が高く, 女性の場合(16例1.09%)の2.3倍であった. 5年前には黄斑変性はわずか15例(0.193%)であったことから, 年々著明に増加していることが分かる. 年齢別にみると男女ともに加齢とともに増加し, 男性では60歳代(4.91%)にピーク, 女性では50歳代(1.6%)にピークがみられた. 病...

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Veröffentlicht in:日本総合健診医学会誌 2001, Vol.28 (4), p.450-450
Hauptverfasser: 川勝房世, 佐伯勝巳, 渡邊訓章, 菅美樹, 谷年幸, 木村頼子, 野上陽
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:昨年1年間(2000年2月7日~2001年2月6日)に大手前病院総合健診を受診した7,208名(男5,745名・女1,463名)について眼底所見, 特に加齢黄斑変性についての検討を行った. 最も高い頻度を示したのは, 白斑・白内障を除くと黄斑変性で, 特に男性の発生頻度(145例2.52%)が高く, 女性の場合(16例1.09%)の2.3倍であった. 5年前には黄斑変性はわずか15例(0.193%)であったことから, 年々著明に増加していることが分かる. 年齢別にみると男女ともに加齢とともに増加し, 男性では60歳代(4.91%)にピーク, 女性では50歳代(1.6%)にピークがみられた. 病変は片眼が87.5%, 両眼のものが12.5%で圧倒的に片眼性が多くみられたが, 両眼性のグループの年齢層が比較的高いことからも, 今後加齢とともに片眼性のグループの対側眼についても発症する可能性が考えられる. 加齢黄斑変性確定診断例12例15眼では, 浸出型が7例8眼, 萎縮型が5例7眼であった. 浸出型の1例が眼科で薬物治療を受け病変および視力が改善, また1例が悪化を認めたが, 他は全例病変は不変であった. 黄斑変性疑いとした症例のうち両眼にみられた例は17例31眼で, 浸出型8例14眼, 萎縮型9例17眼であった. これらは最大5年の経過観察中いずれも病変は不変であった. 以上, 大部分は病変の変化はみられなかったが, 悪化例や改善例もみられることより積極的に眼科受診し, 活動性の病変の有無を精査する必要性があると考えられる.
ISSN:0911-1840