男性就労者の職業別大腸がん検診成績の検討

2012年4月から2017年3月までの5年間に、当協会で協会けんぽの生活習慣病予防健診を受診した35歳~74歳の男性の大腸がん検診(IFOBT 2日法)成績を職業別に比較・検討した。職業分類は日本標準職業分類の大分類をもとにした。職業欄が「未記入」を除いた健診受診者は164,652人、このうち大腸がん検診受診者は150,688人で、期間中92人に大腸がんが発見された。5年間の全体の大腸がん検診受診率は91.5%、要精検率5.5%、精検受診率35.6%、発見率0.061%であった。 年齢調整後の大腸がん検診成績は、検診受診率は専門的職業、管理的職業、農林漁業の順で高く、運輸・通信、保安、サービス...

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Veröffentlicht in:総合健診 2020/03/10, Vol.47(2), pp.334-344
Hauptverfasser: 山口, 孝子, 松林, 重幸, 宮田, 明, 小出, 靖, 森近, 俊彦, 大川, 智久, 高野, 友爾, 竹内, 陽子, 長尾, 由紀, 久安, 利枝, 折坂, 智恵子, 黒沢, 洋一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:2012年4月から2017年3月までの5年間に、当協会で協会けんぽの生活習慣病予防健診を受診した35歳~74歳の男性の大腸がん検診(IFOBT 2日法)成績を職業別に比較・検討した。職業分類は日本標準職業分類の大分類をもとにした。職業欄が「未記入」を除いた健診受診者は164,652人、このうち大腸がん検診受診者は150,688人で、期間中92人に大腸がんが発見された。5年間の全体の大腸がん検診受診率は91.5%、要精検率5.5%、精検受診率35.6%、発見率0.061%であった。 年齢調整後の大腸がん検診成績は、検診受診率は専門的職業、管理的職業、農林漁業の順で高く、運輸・通信、保安、サービスの順で低かった。要精検率は運輸・通信、販売、サービスの順で高く、保安、事務、生産工程・労務の順で低かった。精検受診率は管理的職業、専門的職業、農林漁業の順で高く、運輸・通信、保安、サービスの順で低かった。発見率は農林漁業、運輸・通信、事務の順で高く、保安、管理的職業、専門的職業の順で低かった。健診受診者の深夜業務の割合は、保安73.9%、運輸・通信45.7%、サービス44.0%、生産工程・労務13.9%の順で多かった。 深夜業務の有る職業では検診受診率、精検受診率、検体2本提出者の割合が低い傾向が見られた。長時間の座位作業、深夜業務等の有る職業では要精検率、発見率が高い傾向が見られた。特に深夜業務と長い座位時間があり、喫煙者の割合も多い運輸・通信は検診受診率、精検受診率が最も低く、要精検率は最も高く、発見率は高かった。深夜業務の有る職業を中心に事業所や産業医と連携し、検体2本提出や精検受診の勧奨をする事で、大腸がん検診受診率、精検受診率向上に繋がる可能性が考えられた。
ISSN:1347-0086
1884-4103
DOI:10.7143/jhep.47.334