非喫煙かつ非肥満中年女性のパーセント肺活量低下はサルコペニアの予測因子である
【目的】サルコペニアの本質である筋肉量低下は、単純なBMI低下で評価できないことが知られている。呼吸筋量低下を示唆するパーセント肺活量(%VC)低下が非喫煙かつ非肥満中年女性のサルコペニア予測因子となり得るかを検討した。【方法】平成24年4月~平成29年3月の当施設で呼吸機能検査を実施した40~44歳の非喫煙女性280名(身長145cm未満および1秒率70%未満は除外)を対象とした。%VCをBMIの四分位別(Q1~Q4群)に集計比較検討し、さらにBMIから予想される%VCを求めるため、BMIの昇順に8セグメント(S1~S8)毎のBMIと%VCの平均値を算出した。【結果】%VC平均値はBMIの平...
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Veröffentlicht in: | 総合健診 2018/09/10, Vol.45(5), pp.614-617 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】サルコペニアの本質である筋肉量低下は、単純なBMI低下で評価できないことが知られている。呼吸筋量低下を示唆するパーセント肺活量(%VC)低下が非喫煙かつ非肥満中年女性のサルコペニア予測因子となり得るかを検討した。【方法】平成24年4月~平成29年3月の当施設で呼吸機能検査を実施した40~44歳の非喫煙女性280名(身長145cm未満および1秒率70%未満は除外)を対象とした。%VCをBMIの四分位別(Q1~Q4群)に集計比較検討し、さらにBMIから予想される%VCを求めるため、BMIの昇順に8セグメント(S1~S8)毎のBMIと%VCの平均値を算出した。【結果】%VC平均値はBMIの平均的な群(Q2群98.60±10.14、Q3群100.37±11.50)より低い群(Q1群93.81±12.19)で有意に低値であった(Q3vsQ1: p=0.0014, Q2vsQ1: p=0.013)が、BMIの高い群(Q4群98.53±8.86)とは有意差を認めなかった(Q3vsQ4: p=0.29)。また、BMIから予想される%VC をグラフ化すると、やせ域においてはBMIの低下とともに加速度的に%VCが低下することが示されたが、肥満域では%VCの低下は緩やかであった。【考察】努力性肺活量が全身の筋量を反映していることを考えると、%VCの低下はサルコペニアの前段階である「筋減弱状態」を反映している可能性があり、非肥満中年女性で%VCの低下がみられた場合は、適切な栄養指導や筋力訓練が必要と考えられる。【結語】非喫煙かつ非肥満中年女性において%VCの低下はサルコペニアの予測因子となることが示唆された。 |
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ISSN: | 1347-0086 1884-4103 |
DOI: | 10.7143/jhep.45.614 |