勤労者の心血管イベントはメタボリック症候群以外の非肥満者でも発症する
肥満は心血管イベントの重要なリスク因子であるが、非肥満者でも他のリスク因子を持つとリスク因子を持たない例に比べ心血管イベントが2倍以上発症することが第5回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会で報告され、非肥満者でも生活習慣病に対する取組を積極的に行うことが提唱された。そこで心筋梗塞や脳卒中を発症した人の健康診断結果を調査し、心・脳血管イベントは非肥満者でも発症するか、また、発症年齢についても調査を行った。A社(2015年の健康診断受診者8,813名 男性7,803、女性1,010名 平均年齢40.2歳)において2015年4月1日から2016年6月30日までの1年半の間に発症した心筋...
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Veröffentlicht in: | 総合健診 2017, Vol.44(3), pp.492-498 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 肥満は心血管イベントの重要なリスク因子であるが、非肥満者でも他のリスク因子を持つとリスク因子を持たない例に比べ心血管イベントが2倍以上発症することが第5回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会で報告され、非肥満者でも生活習慣病に対する取組を積極的に行うことが提唱された。そこで心筋梗塞や脳卒中を発症した人の健康診断結果を調査し、心・脳血管イベントは非肥満者でも発症するか、また、発症年齢についても調査を行った。A社(2015年の健康診断受診者8,813名 男性7,803、女性1,010名 平均年齢40.2歳)において2015年4月1日から2016年6月30日までの1年半の間に発症した心筋梗塞、脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)例の健診結果を調査した。心・脳血管イベントは17例発症した。全例男性で平均年齢は49歳であった。内訳は心筋梗塞が8例、脳卒中が9例(脳梗塞4例、くも膜下出血3例、脳出血2例)であった。心筋梗塞、脳卒中は約半数が40歳代で発症していた。特に心筋梗塞例の約3分の2が40歳代で発症していた。心・脳血管イベント発症例でのメタボリックシンドロームの合併は半数(47%)に過ぎなかった。BMI25以上を肥満と定義すると、肥満からの発症は17例中9例(53%)のみで、脳卒中例の多く(67%)が非肥満から発症していた。心・脳血管イベントは非肥満者から約半数発症するので、リスク因子を抱える非肥満者へも生活習慣病予防に関する取り組みを積極的に行っていく必要がある。心・脳血管イベントの半数が40歳代で発症しているので、特定健診の目的が症状の早期発見・早期対応ではなく、症状を来す前に指導を行い、疾患の発症を予防するための取り組みなら、症状を起こす前の30歳代からの特定健診が望まれる。 |
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ISSN: | 1347-0086 1884-4103 |
DOI: | 10.7143/jhep.44.492 |