余命宣告を受けた老年期のクライアントの主観的QOLと作業療法士の関わり方

「1 はじめに」小細胞肺がんに罹患し, 外科的手術療法が非適応である場合, ステージIVにおける生存中央値は8~10ヵ月である. また抗がん剤や放射線による内科的治療が有効であった場合でも, その生存中央値は限局型で約20ヵ月, 進展型では10ヵ月に満たないとされている(Noda et al. 2002). つまり, 小細胞肺がんステージIV患者は, 早ければ1年以内に, 長くても2年以内に死を迎える可能性が高い. 一般的に考えて, ある日突然, 命の期限を告げられた時, 人が死を受け容れることは容易なことではない. すべてに絶望し, 生きる気力を失うのが自然な姿であろう. そうしたなか, 作...

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Veröffentlicht in:Journal of Rehabilitation and Health Sciences 2016-12, Vol.14, p.1-8
Hauptverfasser: 今西美由紀, 石浦佑一, 友久久雄, 日垣一男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1 はじめに」小細胞肺がんに罹患し, 外科的手術療法が非適応である場合, ステージIVにおける生存中央値は8~10ヵ月である. また抗がん剤や放射線による内科的治療が有効であった場合でも, その生存中央値は限局型で約20ヵ月, 進展型では10ヵ月に満たないとされている(Noda et al. 2002). つまり, 小細胞肺がんステージIV患者は, 早ければ1年以内に, 長くても2年以内に死を迎える可能性が高い. 一般的に考えて, ある日突然, 命の期限を告げられた時, 人が死を受け容れることは容易なことではない. すべてに絶望し, 生きる気力を失うのが自然な姿であろう. そうしたなか, 作業療法士(以下, OT)は, クライアントのQOL (Quality of Life: 人生の質・生活の質)の向上を目指し, 作業療法を進めていく. それは, クライアントとともに, 「生まれてきたことの意味」「死んで逝くことの答え」という人類共通の遠大な課題と向き合う過程とも言える.
ISSN:1348-6756