折り動作における示指押し力と外転力の経時変化

「1 緒言」 作業療法の治療・訓練において活動(以下アクティビティ)は大変多く用いられる. また, アクティビティは一般に革細工や金工, 木工など幅広いことが知られている. 中でも折り紙は, 一般的に簡便・安価に導入できるアクティビティとして良く知られており, 患者様にとって楽しみとしても導入できる作業活動のひとつである1. 折り紙は経験的に様々な疾患を持つ障害者に治療・訓練あるいは趣味的活動として用いられており2, 作品のバリエーションの多さや工程の多様さから巧緻性の維持・向上や認知機能面へのアプローチとして用いられている. 作業療法における折り紙に関する研究は, 近年において平川ら3が折り課題における眼球運動解析を行っており, 紙を合わせて折る課題において注意を向けるべき部位を明らかにした. また, 示指の運動に関する研究において小島ら4の示指押し力の再現性に関する報告やVaillancourtら5による示指外転筋の筋出力の加齢変化の報告などがある.