虚弱高齢者における転倒恐怖感と歩行・バランス能力との関連

「はじめに」 高齢者の健康寿命延伸を目的に, 転倒予防に関する研究が進められる中, 転倒への恐怖感, 不安感(fear of falling1)が転倒そのものよりも大きな問題として指摘されている2, 3. 転倒歴のない高齢者にも転倒恐怖感は存在し2, 転倒と転倒恐怖感は相互の予測因子であり4, 生活自立高齢者において転倒恐怖感と身体機能低下との関連が報告されつつある5-7. しかし, 我々理学療法士が対象とすることの多い, すでに身体機能の低下を生じている虚弱高齢者における報告はほとんどみられない8. 臨床上, 歩行速度が遅くても自信を持って日常生活を送る虚弱高齢者をみかける機会は多く, こう...

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Veröffentlicht in:Journal of Rehabilitation and Health Sciences 2003-12, Vol.1, p.18-22
Hauptverfasser: 樋口由美, 田中則子, 淵岡聡, 林義孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 高齢者の健康寿命延伸を目的に, 転倒予防に関する研究が進められる中, 転倒への恐怖感, 不安感(fear of falling1)が転倒そのものよりも大きな問題として指摘されている2, 3. 転倒歴のない高齢者にも転倒恐怖感は存在し2, 転倒と転倒恐怖感は相互の予測因子であり4, 生活自立高齢者において転倒恐怖感と身体機能低下との関連が報告されつつある5-7. しかし, 我々理学療法士が対象とすることの多い, すでに身体機能の低下を生じている虚弱高齢者における報告はほとんどみられない8. 臨床上, 歩行速度が遅くても自信を持って日常生活を送る虚弱高齢者をみかける機会は多く, こうした身体機能が低下している集団では歩行やバランス機能それぞれの評価が転倒恐怖感と関連するように感じ得ない. 我々は, 虚弱高齢者においては歩行, バランス, 筋力等の各評価指標が, 転倒恐怖感と関連していないのではないかという仮説を持つに至った.
ISSN:1348-6756