当科における精巣位置異常症例の外来診療について
「I. 緒言」 精巣は胎生期に腹腔内より腹膜に沿って鼠径管を通って陰嚢内に下降する. この生理的下降経路の途中で停滞するものが停留精巣である. 一方, 精巣下降が完了しているが精巣挙筋の過剰反射と精巣導帯の固定不良により鼠径部に挙上する移動性精巣や, 胎児期に内分泌異常や精巣捻転などより精巣が壊死したと考えられる消失精巣や精巣無発生による非触知精巣も, しばしば精巣の位置異常疑いとして受診する. 治療の主たる目的は妊孕性の保護および悪性化の予防であり, 適切な時期の手術が必要とされている. 停留精巣の手術時期は, 2005年に提唱された本邦のガイドラインでは2歳までに施行するべきとしているが,...
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Veröffentlicht in: | 秋田医学 2022-11, Vol.49 (2), p.83-87 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 緒言」 精巣は胎生期に腹腔内より腹膜に沿って鼠径管を通って陰嚢内に下降する. この生理的下降経路の途中で停滞するものが停留精巣である. 一方, 精巣下降が完了しているが精巣挙筋の過剰反射と精巣導帯の固定不良により鼠径部に挙上する移動性精巣や, 胎児期に内分泌異常や精巣捻転などより精巣が壊死したと考えられる消失精巣や精巣無発生による非触知精巣も, しばしば精巣の位置異常疑いとして受診する. 治療の主たる目的は妊孕性の保護および悪性化の予防であり, 適切な時期の手術が必要とされている. 停留精巣の手術時期は, 2005年に提唱された本邦のガイドラインでは2歳までに施行するべきとしているが, 2014年米国泌尿器科学会では6-18か月, 欧州においては多くの国のガイドラインで6-12か月を推奨しており, 手術時期は早まる傾向にある. 精巣位置異常は乳児健診や小児科診療において指摘され小児外科診療へつながることの多い疾患である. |
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ISSN: | 0386-6106 |