静脈への動脈組織片のパッチ移植による新規血管新生誘導法

「はじめに」一般的に動静脈奇形(arteriovenous malformation; AVM)は異常血管Nidusを介して動脈と静脈が直接吻合するものと定義される. AVMは脳や肺, 肝臓など様々な臓器で発生し, 時に出血や虚血, 脳膿瘍などの致死的な症状を呈する. AVMは一般的に, 流入動脈, 流出静脈および1つ以上の動静脈瘻を有する新生血管から構成される. しかし, その病因やメカニズムについては未だ明らかにはなっていない. 特に動静脈瘻の形成プロセスについては全く分かっていない. さらに, AVMの形成過程において, 血管内皮増殖因子(vascular endothelial gro...

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Veröffentlicht in:秋田医学 2019-06, Vol.46 (1), p.29-37
Hauptverfasser: 伊藤行信, 後藤明輝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」一般的に動静脈奇形(arteriovenous malformation; AVM)は異常血管Nidusを介して動脈と静脈が直接吻合するものと定義される. AVMは脳や肺, 肝臓など様々な臓器で発生し, 時に出血や虚血, 脳膿瘍などの致死的な症状を呈する. AVMは一般的に, 流入動脈, 流出静脈および1つ以上の動静脈瘻を有する新生血管から構成される. しかし, その病因やメカニズムについては未だ明らかにはなっていない. 特に動静脈瘻の形成プロセスについては全く分かっていない. さらに, AVMの形成過程において, 血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor A: VEGFA)をはじめとする血管新生因子がどのように関与しているのかについても不明な点が多い. その理由として, 臨床においてAVMの発生初期を捉えることが難しいことやAVMを経時的に観察することが困難であることが挙げられる.
ISSN:0386-6106