医療モデルのパラダイムシフトと先端医療の推進

「はじめに」医療における医学モデル(biomedical model)の確立は19世紀の西洋において始まり, 疾患概念の確立, 病因・病態の解明, 診断および治療の開発において著しい発展を遂げ, 疾患単位に関する膨大な知見を人類にもたらした. 一方で, 疾病の存在がどのような精神的, 社会的な影響をそのひとにもたらすかという視点から疾病を理解しようとする生物心理社会モデル(biopsychosocial model)というコンセプトも, 医療者のみならず社会に定着しつつあるように思われる. これら2つのモデルは決して二律背反の関係にあるのではなく, 互いに補完的なものと筆者は考えるが, 人口構...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:秋田医学 2014-03, Vol.41 (3/4), p.115-120
1. Verfasser: 廣川誠
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」医療における医学モデル(biomedical model)の確立は19世紀の西洋において始まり, 疾患概念の確立, 病因・病態の解明, 診断および治療の開発において著しい発展を遂げ, 疾患単位に関する膨大な知見を人類にもたらした. 一方で, 疾病の存在がどのような精神的, 社会的な影響をそのひとにもたらすかという視点から疾病を理解しようとする生物心理社会モデル(biopsychosocial model)というコンセプトも, 医療者のみならず社会に定着しつつあるように思われる. これら2つのモデルは決して二律背反の関係にあるのではなく, 互いに補完的なものと筆者は考えるが, 人口構造の変化, 疾病構造の変化, そして膨大な政府債務による財政の逼迫により, 医学モデルのみを追求することを許さない状況に日本はあるものと思われる.
ISSN:0386-6106