当院NSTにおけるリハビリテーション科の取り組み

「要旨」:当院では, 栄養サポートチーム(NST)を平成15年10月より発足させ, 低栄養患者の栄養管理を開始した. さらに「輸液から経腸栄養, さらには経口摂取へ」を目標にNST内に嚥下リハチーム, 口腔ケアチームを発足させ, より包括的・専門的な体制が整った. 今回, NSTにおけるリハビリテーション科(以下リハ)の取り組みを報告した. 活動内容は, 回診やミーティングに参加しリハの状況. 身体計測, 嚥下評価の結果を報告し, その中からリハに必要な情報を持ちかえり各療法(PT, OT, ST)の治療に活かしている, 当院でのNST対象患者は, 開始より平成18年11月までに123名であり...

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Veröffentlicht in:日本職業・災害医学会会誌 2007-07, Vol.55 (4), p.186-193
Hauptverfasser: 西原常宏, 寺松寛明, 井上裕文, 福井啓二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:当院では, 栄養サポートチーム(NST)を平成15年10月より発足させ, 低栄養患者の栄養管理を開始した. さらに「輸液から経腸栄養, さらには経口摂取へ」を目標にNST内に嚥下リハチーム, 口腔ケアチームを発足させ, より包括的・専門的な体制が整った. 今回, NSTにおけるリハビリテーション科(以下リハ)の取り組みを報告した. 活動内容は, 回診やミーティングに参加しリハの状況. 身体計測, 嚥下評価の結果を報告し, その中からリハに必要な情報を持ちかえり各療法(PT, OT, ST)の治療に活かしている, 当院でのNST対象患者は, 開始より平成18年11月までに123名であり, 疾患は肺炎による全身状態の低下や脳卒中が主であった. また平均年齢も76.5歳と高齢であった. そのうちリハを同時に行った患者は97名であった. リハの内容としては全身状態の改善を目的とした機能訓練, ADL訓練, 嚥下リハ等であった. これらをNST内で多職種と連携しチームアプローチを実施した. その結果, 経口摂取と経腸栄養で退院となる患者が85名から102名に増加した. 栄養管理をする上で一番自然で効果的な栄養摂取方法は経口摂取である. しかし, 摂食・嚥下障害や全身状態の低下により経口摂取困難となる患者は多い. また嚥下機能の低下は誤嚥を引き起こし感染症につながる. そこで栄養管理と並行したリハの関与で, 嚥下機能, 日常生活能力や全身の運動能力を高めることが経口摂取にむけて好影響を与えたものと考える. それにより, 患者のQOL向上にもつながったと思われた. 今後の課題として, 退院時指導の充実化や地域連携を図り, 退院後地域に戻った患者をどのように継続的に支えていくか検討していく必要があると思われた.
ISSN:1345-2592