Grade Point Average再考

Grade Point Average:GPAは学士教育課程において学生の総合的な成績を表現できる数値として広く活用されている。2017年の調査では国立大学の100%、公立大学のおよそ80%、私立大学のおよそ93%がGPAを導入している。GPAはある学生のある科目の成績について4、3、2、1、0などのGrade Pointを付加し、その科目の単位数を乗じ、それらの総和を履修総単位数で除したものである。奨学金や授業料免除対象者の選定基準として活用、履修状況を把握し履修指導や学修への助言などに活用されているが、現行のGPAには大きな問題がある。ひとつはGrade Pointを付加する時点で原素点を...

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Veröffentlicht in:新潟医療福祉学会誌 2023, Vol.23(2), pp.30-35
Hauptverfasser: 江原, 義弘, 前田, 雄, 阿部, 薫, 須田, 裕紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Grade Point Average:GPAは学士教育課程において学生の総合的な成績を表現できる数値として広く活用されている。2017年の調査では国立大学の100%、公立大学のおよそ80%、私立大学のおよそ93%がGPAを導入している。GPAはある学生のある科目の成績について4、3、2、1、0などのGrade Pointを付加し、その科目の単位数を乗じ、それらの総和を履修総単位数で除したものである。奨学金や授業料免除対象者の選定基準として活用、履修状況を把握し履修指導や学修への助言などに活用されているが、現行のGPAには大きな問題がある。ひとつはGrade Pointを付加する時点で原素点を丸めることになり、それによって学生間に成績の逆転現象を生じさせることである。二つ目はわが国で広く実施されている100点満点の試験点数をGrade Pointに置き換えることによって、数値から学生の成績が推測しにくいことである。そこで本稿では原素点を丸めることなく10で除し、単位数を乗じた総和を履修総単位数で除すdGPAを提案した。dGPAには成績の逆転現象がないために、奨学金や授業料免除対象者の選定基準として安心して活用できる。数値自体によって成績が判断しやすいので学生や保護者にとっても身近な存在として活用されることが期待できる。さらに成績が正確に反映されているので大学運営のInstitutional Research的活用にも適している。
ISSN:1346-8774
2435-9777
DOI:10.34540/niigatajohewewa.23.2_30