12. 人工ECM幾何学による骨組織とチタン間の立体結合創製 (1)その原理と利点について

人工ECM幾何学とは, 数ミクロンから数百ミクロンオーダーの生体材料の3次元幾何学的構造が, in vivoおよびin vitroにおいて細胞, 組織および器官の形成を誘導する現象を分析, 総合する新しい試みであり, 再生医学・組織工学にとってきわめて有用なサイエンスである(J Bone J Surg 83-A, S1-105-115, 2001). その1例として, 骨とチタンの結合がある. これまでの方法は概ね2次元平面によって結合させようとする試みであり, 表面を粗造化や, 高々表面に球状粒子を融着すること(Deporteら)で結合効率を上げるに留まっていた. このことは, 骨芽細胞が活...

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Veröffentlicht in:Journal of Hard Tissue Biology 2003, Vol.11 (3), p.123-123
Hauptverfasser: 久保木芳徳, 吉本良太, 田中信幸, 浦本洋一, 滝田裕子, 兼子正生, 柳沢章, 神谷晶, 亀山哲也, 根本一樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:人工ECM幾何学とは, 数ミクロンから数百ミクロンオーダーの生体材料の3次元幾何学的構造が, in vivoおよびin vitroにおいて細胞, 組織および器官の形成を誘導する現象を分析, 総合する新しい試みであり, 再生医学・組織工学にとってきわめて有用なサイエンスである(J Bone J Surg 83-A, S1-105-115, 2001). その1例として, 骨とチタンの結合がある. これまでの方法は概ね2次元平面によって結合させようとする試みであり, 表面を粗造化や, 高々表面に球状粒子を融着すること(Deporteら)で結合効率を上げるに留まっていた. このことは, 骨芽細胞が活動する場を, チタン面と骨面との間の2次元平面という最小範囲に制限するものであり, そのために結合形成まで長時間を要し, 一旦結合が破綻すると修復の可能性はなかった. 今回, 我々は直径50μのチタン繊維による不織布をチタン表面に真空焼結する技術を開発し, これによって骨とチタンとの間に, 両者が3次元立体結合する層(collaboration zone)を創ることに成功した. その基本原理, 利点と臨床応用の展望について報告する.
ISSN:1341-7649