インターカラー提案色が流行色に及ぼす影響: 提案年度からの経年変化

「1. 緒言」インターカラーは, 国際間で流行色を選定する世界でただ一つの機関である. インターカラーの流行色選定会議は, 年2回開催されている. 流行色の選定は, ファッションのみの情報でなく, 政治, 経済, 社会情勢など多面的に検討され, 決定される. 実シーズンに先駆ける約2年前の6月に春夏カラー, 12月に秋冬カラーが決まる. 世界的にも最も早い時期のトレンドカラーの選定であり, インターカラー選定色の方向は, その後に発表される世界各国のトレンドカラー情報の, いわばトレンドセッター的な役割をしているということができる. つまり, インターカラーは, 流行する色を最初に提案し, 流行を産み出す位置にある. また, 日本流行色協会(JAFCA)が発行している月刊誌『流行色』は, 春夏と秋冬の2回, 毎年全国8大都市の百貨店や量販店の販売動向から, ヒットカラー(流行した色)を調査し, そのうち上位10色を発表している. 流行の順位はヒット率による. ヒット率とは, 店頭において各色が占めた比率である.