ファッションデザインの「美的特性」と「表現上の本質的な特徴」の探究: 著作権法による保護の可否と範囲
「1. はじめに」ファッションデザインが著作権法によって保護されるためには, 創作的な表現であることが必要である(著作権法2条1項1号. 以下, 著作権法を単に「法」ということがある.). だが, 裁判例によれば, それだけでは足りない. 何らかの形で, 「美的鑑賞の対象となり得る美的特性」を備えなければならない. これは, 次の理由による. ある創作物が著作物として保護されるためには, それが「文芸, 学術, 美術又は音楽の範囲に属するもの」であることが必要である. ファッションデザインは, 多くの場合, 「美術」の範囲に属するもの」かが検討される. ここでいう「美術」とは, 専ら鑑賞の対象...
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Veröffentlicht in: | 感性工学 2019/06/30, Vol.17(2), pp.53-59 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」ファッションデザインが著作権法によって保護されるためには, 創作的な表現であることが必要である(著作権法2条1項1号. 以下, 著作権法を単に「法」ということがある.). だが, 裁判例によれば, それだけでは足りない. 何らかの形で, 「美的鑑賞の対象となり得る美的特性」を備えなければならない. これは, 次の理由による. ある創作物が著作物として保護されるためには, それが「文芸, 学術, 美術又は音楽の範囲に属するもの」であることが必要である. ファッションデザインは, 多くの場合, 「美術」の範囲に属するもの」かが検討される. ここでいう「美術」とは, 専ら鑑賞の対象とすることを目的とし, 専ら美の表現を追求して制作されたもの(絵画, 版画, 彫刻等のいわゆる純粋美術)を念頭に置くものであるといわれることがある. ところが, ファッションデザインは, 衣服を例にとると, 着用者の身体を覆って保護するなどの実用的機能を果たす工業製品に用いられるため, その実用的機能を果たすために, 美の表現において実質的制約を受けることがある. |
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ISSN: | 1882-8930 2435-4481 |
DOI: | 10.5057/kansei.17.2_53 |