商品開発と感性工学

「1. はじめに」 長く続く景気の低迷の中にあって, 国内の多くの企業はコスト競争力を前提とした, より付加価値の高い商品の開発に腐心している. 住宅設備産業においても, 毎年のように新良品が発表され, 従前と異なる新機能を次々と付加していくことで消費者に自社製品をアピールすることに余念がない. ここでの他社差別化の要素は, 主に新機能や新機構といった, これまでにない, 目新しい機能や利便性の訴求が中心となるのだが, すでに消費者の欲求やニーズに対する既存の商品の性能はこれを上回っており, 過剰ともいえる機能が付加されている. たとえば, トイレの前に立てば自動でふたが開き, 用便が済んで立...

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Veröffentlicht in:感性工学 2012/09/30, Vol.11(2), pp.73-78
1. Verfasser: 小代, 禎彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 長く続く景気の低迷の中にあって, 国内の多くの企業はコスト競争力を前提とした, より付加価値の高い商品の開発に腐心している. 住宅設備産業においても, 毎年のように新良品が発表され, 従前と異なる新機能を次々と付加していくことで消費者に自社製品をアピールすることに余念がない. ここでの他社差別化の要素は, 主に新機能や新機構といった, これまでにない, 目新しい機能や利便性の訴求が中心となるのだが, すでに消費者の欲求やニーズに対する既存の商品の性能はこれを上回っており, 過剰ともいえる機能が付加されている. たとえば, トイレの前に立てば自動でふたが開き, 用便が済んで立ち上がれば自動的に水に流してしまう. あるものは洗剤の泡で流すたびに便器が洗浄されることをうたい, またあるものは水道水を電気分解して得られる次亜塩素酸によって便器を除菌する機能をうたう. 入浴の際にはボタン一つでお湯はりがされ, 中には自動で浴槽を洗浄するものもある.
ISSN:1882-8930
2435-4481
DOI:10.5057/kansei.11.2_73