顔の魅力認知の多様性に関する心理学的考察
「1. はじめに」友人と会話をする時, 初対面の人に挨拶をする時, 仕事相手と交渉をする時, 私たちは様々な場面で相手の「顔」や「表情」を目にし, そこから得られる多くの情報を利用して人間関係を円滑に進めている. つまり, 顔は人間の社会的なコミュニケーションの基盤であるといえる. 認知心理学の分野では, 対人関係における重要性の高い視覚対象として顔への関心が寄せられ, その認知の特性について幅広く研究が進められている. 本稿では, 顔が伝える種々の情報の中から, 見る人の感性の働きによって感じ取られる顔の魅力に着目し, 研究の視点や魅力認知の多様性について考えてみたい. 「2. 顔の魅力認知...
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Veröffentlicht in: | 感性工学 2009/01/20, Vol.8(2), pp.253-256 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」友人と会話をする時, 初対面の人に挨拶をする時, 仕事相手と交渉をする時, 私たちは様々な場面で相手の「顔」や「表情」を目にし, そこから得られる多くの情報を利用して人間関係を円滑に進めている. つまり, 顔は人間の社会的なコミュニケーションの基盤であるといえる. 認知心理学の分野では, 対人関係における重要性の高い視覚対象として顔への関心が寄せられ, その認知の特性について幅広く研究が進められている. 本稿では, 顔が伝える種々の情報の中から, 見る人の感性の働きによって感じ取られる顔の魅力に着目し, 研究の視点や魅力認知の多様性について考えてみたい. 「2. 顔の魅力認知研究の視点」顔の魅力や印象は日常的にも関心の高いテーマであるため, 研究の着眼点も様々である. 例えば. 社会的・対人的な観点では, 視覚や言葉で表現される他者の断片的情報から人物の印象が形成される過程や, 「丸顔の人は一般に親切で社交的である」などのような外見と性格の関係についての信念体系(暗黙の人格観), 種々の環境要因を含めて認知される対人魅力, 魅力的な容貌の人物に対するステレオタイプなどの問題が検討される. |
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ISSN: | 1882-8930 2435-4481 |
DOI: | 10.5057/kansei.8.2_253 |