近未来的社会課題解決に向けたリーダーシップ研究の必要性

本稿では,科学と実践の相補的実行を特徴の一つとするユニークな学問である人間工学において,社会実装や社会課題解決に向けたプロセスを,人々に大きな変化を受け入れさせ,人々のみならず組織や社会を適応させていくアダプティブ・リーダーシップのプロセスそのものとして捉えるという新たな視点を示した.社会課題解決のプロセスを丁寧に記述するリーダーシップの事例的研究が必要であることを主張した.人間工学は社会課題の解決を目指し,科学と実践の相補的実行を志向する特徴を持つが,社会課題の解決を果たすことは,重大な課題が解決され新たな生活様式へと移行した新しい未来を実現することであることを示した.その上で,未来をつくる...

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Veröffentlicht in:人間工学 2024/04/15, Vol.60(2), pp.83-88
1. Verfasser: 庄司, 直人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本稿では,科学と実践の相補的実行を特徴の一つとするユニークな学問である人間工学において,社会実装や社会課題解決に向けたプロセスを,人々に大きな変化を受け入れさせ,人々のみならず組織や社会を適応させていくアダプティブ・リーダーシップのプロセスそのものとして捉えるという新たな視点を示した.社会課題解決のプロセスを丁寧に記述するリーダーシップの事例的研究が必要であることを主張した.人間工学は社会課題の解決を目指し,科学と実践の相補的実行を志向する特徴を持つが,社会課題の解決を果たすことは,重大な課題が解決され新たな生活様式へと移行した新しい未来を実現することであることを示した.その上で,未来をつくる過程でどのようにステークホルダー間の機微を乗り越えたのかを記述することが必要であることを述べた.また,社会課題解決のプロセスに着目した人間工学的なリーダーシップを再定義することができれば,アカデミアと実務家の接続を容易にし,科学と実践の相補的実行をさらに拡大することができることを論じた.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.60.83