深度センサおよびRGB画像に基づく動作解析システムの精度検証: 上肢動作における肩関節三次元動作に着目して

本研究では,複数の姿勢推定技術を用いて上肢動作の計測を行い,計測精度の比較を通して各手法の長所と短所を考察することを目的とした.計測手法として,高精度で広く利用されている光学式モーションキャプチャ(基準値),深度情報から姿勢推定を行うAzure Kinect,動画のみからの姿勢推定手法であるMeTRAbsを用い,健常者の肩外転,肩屈曲,肩水平内転の各平面動作を実施した.各計測手法によって得られた関節位置座標を用いて関節角度を算出し,比較を行った.その結果より,Azure Kinectは動作条件に限らず光学式モーションキャプチャと同等の値が得られた.また,MeTRAbsは前額面の肩外転,奥行き情...

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Veröffentlicht in:人間工学 2023/06/15, Vol.59(3), pp.123-130
Hauptverfasser: 伊藤, 拓登, 志水, 宏太郎, 高村, 優作, 大橋, 勇哉, 武田, 賢太, 彦坂, 幹斗, 山本, 紳一郎, 河島, 則天
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では,複数の姿勢推定技術を用いて上肢動作の計測を行い,計測精度の比較を通して各手法の長所と短所を考察することを目的とした.計測手法として,高精度で広く利用されている光学式モーションキャプチャ(基準値),深度情報から姿勢推定を行うAzure Kinect,動画のみからの姿勢推定手法であるMeTRAbsを用い,健常者の肩外転,肩屈曲,肩水平内転の各平面動作を実施した.各計測手法によって得られた関節位置座標を用いて関節角度を算出し,比較を行った.その結果より,Azure Kinectは動作条件に限らず光学式モーションキャプチャと同等の値が得られた.また,MeTRAbsは前額面の肩外転,奥行き情報が必要な矢状面の肩屈曲,肩水平内転の0~90度の範囲の動作では十分な精度を持つとみなすことができた.脊髄損傷者を対象とした計測では課題動作遂行における肩外転を用いた代償動作を適切に捉えられた.これらの結果は,MeTRAbsによる動作計測が臨床場面での実用性に耐え得る精度を持つことが示唆された.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.59.123