子どものGUI操作におけるメニュー階層の構造理解に関する研究

認知機能の発達段階にある子どもがGUIのメニュー操作を行う際に,どのように階層を理解するのかについて検討した.3 ~6歳の幼児120名を対象に,パソコン画面上に提示した形と色,そして模様を選んでいく2階層と3階層の2種類のメニュー選択課題を行い,課題の成功率から階層の違いによる理解度を比較した.その結果,3 ~5歳児では2階層課題の方が3階層課題よりも成功率が有意に高くなり,5歳以下の幼児は短期記憶の処理容量が少ないことや,音声的符号による短期記憶が困難であること,口頭で提示された事象をイメージする能力が未発達であることが影響していると考えられる.6歳児の成績では100%に近い成功率が見られ,...

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Veröffentlicht in:人間工学 2015/10/20, Vol.51(5), pp.358-364
Hauptverfasser: 阪野, 史子, 岡田, 明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:認知機能の発達段階にある子どもがGUIのメニュー操作を行う際に,どのように階層を理解するのかについて検討した.3 ~6歳の幼児120名を対象に,パソコン画面上に提示した形と色,そして模様を選んでいく2階層と3階層の2種類のメニュー選択課題を行い,課題の成功率から階層の違いによる理解度を比較した.その結果,3 ~5歳児では2階層課題の方が3階層課題よりも成功率が有意に高くなり,5歳以下の幼児は短期記憶の処理容量が少ないことや,音声的符号による短期記憶が困難であること,口頭で提示された事象をイメージする能力が未発達であることが影響していると考えられる.6歳児の成績では100%に近い成功率が見られ,大人と同じようなレベルで階層のイメージを構築できていると思われる.月齢別の成績では成功率が急に高くなる時期が見られており,子どもの発達における敏感期の特性ではないかと考えられる.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.51.358