30%酸素吸入が動揺性視覚刺激による自律神経反応に与える影響

動揺性視覚刺激は悪心に先行する自律神経反応を誘発しうる.この自律神経反応に対する高濃度酸素吸入の有効性について検討した.健常者24名(20.9±2.7歳)を対象とし,胃電図(EGG),皮膚コンダクタンス(GSR),心拍数,SpO2,呼吸数を計測した.計測は映像視聴前の安静期間から行った.室内大気を吸入する群を対照群,30%酸素を持続吸入する群をO2群とした.映像視聴により悪心を訴えるものはいなかった.映像視聴後のEGGの積分値は対照群で有意に増加したが,O2群では有意差は認められなかった.GSRの相対値(映像視聴中vs.安静期間)を,対照群とO2群で比較した所,有意にO2群が低値だった.心拍数...

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Veröffentlicht in:人間工学 2015/04/15, Vol.51(2), pp.123-130
Hauptverfasser: 山形, 隆造, 井上, 哲, 黒住, 千春, 高橋, 尚, 古我, 知成
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:動揺性視覚刺激は悪心に先行する自律神経反応を誘発しうる.この自律神経反応に対する高濃度酸素吸入の有効性について検討した.健常者24名(20.9±2.7歳)を対象とし,胃電図(EGG),皮膚コンダクタンス(GSR),心拍数,SpO2,呼吸数を計測した.計測は映像視聴前の安静期間から行った.室内大気を吸入する群を対照群,30%酸素を持続吸入する群をO2群とした.映像視聴により悪心を訴えるものはいなかった.映像視聴後のEGGの積分値は対照群で有意に増加したが,O2群では有意差は認められなかった.GSRの相対値(映像視聴中vs.安静期間)を,対照群とO2群で比較した所,有意にO2群が低値だった.心拍数,SpO2及び呼吸数は実験中に有意差は認められなかった.これらの結果より,動揺性視覚刺激により誘発された胃運動や発汗量の増加は,30%酸素吸入により抑制されることが示された.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.51.123