3次元立体視における注視物体の視差量が字幕の輻輳調節時間に与える影響

本研究では映像内の注視物体の視差量が,ユーザが字幕を読む際に与える影響を評価するための実験を行った.実験では,字幕には視差を与えず,映像内の注視物体に与える視差のみを変化させた.被験者に最初に注視物体のみを提示し,ランダムな間隔を空けて字幕の提示を行い,字幕を読み上げさせた.字幕が提示されてから被験者が読み始めるまでの時間を計測することで輻輳調節時間を求め,注視物体に与えられた視差による輻輳調節時間の変化を調査することで,注視物体の視差量が字幕認知に与える影響を定量的に評価した.その結果,注視物体が手前にあるように見える視差を与えるよりも,注視物体が奥にあるように見える視差のほうが,注視物体に...

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Veröffentlicht in:人間工学 2013/08/15, Vol.49(4), pp.183-189
Hauptverfasser: 寺元, 大貴, 村田, 和義, 渋谷, 雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では映像内の注視物体の視差量が,ユーザが字幕を読む際に与える影響を評価するための実験を行った.実験では,字幕には視差を与えず,映像内の注視物体に与える視差のみを変化させた.被験者に最初に注視物体のみを提示し,ランダムな間隔を空けて字幕の提示を行い,字幕を読み上げさせた.字幕が提示されてから被験者が読み始めるまでの時間を計測することで輻輳調節時間を求め,注視物体に与えられた視差による輻輳調節時間の変化を調査することで,注視物体の視差量が字幕認知に与える影響を定量的に評価した.その結果,注視物体が手前にあるように見える視差を与えるよりも,注視物体が奥にあるように見える視差のほうが,注視物体に大きな視差量を与えた場合でも字幕の輻輳調節時間が長くなりにくいことが分かった.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.49.183