双腕での力知覚・再現タスクにおける両側性転移

【1. はじめに】 人間は日常生活で両腕の協調動作を行っており, 両腕の感覚系と運動系で得られた情報は反対側の脳に送られ, 脳の左右交叉を通して相互に影響を及ぼしている. これは片方の腕に起きた学習効果が他方の腕に影響を及ぼす現象を引き起こし, 両側性転移(Bilateral Transfer)と呼ばれている. これに関する研究は様々な分野から古くから行われてきており, 空間知覚及び時間知覚の両側性転移, 運動の制御における力とその持続時間の両側性転移特性に対する影響を調べる研究が行われている1,2). さらに, 技能(スキル)の転移に対する評価も実施されている3). 最近では脳神経の相互作用...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:人間工学 2012/02/15, Vol.48(1), pp.35-39
Hauptverfasser: 朴, 根永, 斉川, 秀司, 金, 泳佑, 長井, 力, 大日方, 五郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【1. はじめに】 人間は日常生活で両腕の協調動作を行っており, 両腕の感覚系と運動系で得られた情報は反対側の脳に送られ, 脳の左右交叉を通して相互に影響を及ぼしている. これは片方の腕に起きた学習効果が他方の腕に影響を及ぼす現象を引き起こし, 両側性転移(Bilateral Transfer)と呼ばれている. これに関する研究は様々な分野から古くから行われてきており, 空間知覚及び時間知覚の両側性転移, 運動の制御における力とその持続時間の両側性転移特性に対する影響を調べる研究が行われている1,2). さらに, 技能(スキル)の転移に対する評価も実施されている3). 最近では脳神経の相互作用のメカニズムの理解に基づき両側性転移が脳卒中後に多く見られる片麻痺患者のリハビリに有効であり, 片麻痺患者の治療として両腕で行うバイマニュアルタスク(以下バイマニュアルをBMと記す)の効果が検討されている4). しかし, 治療のためのBMタスクの設計は自由度が大きく, 適応する対象患者の機能にも多様性が高いため個々の患者に適したBMタスクが明らかにされている訳ではない.
ISSN:0549-4974
1884-2844
DOI:10.5100/jje.48.35