生理的振戦を用いた上肢姿勢保持時の機能評価と肩関節疾患者の機能評価への応用

生体機械的振動である生理的振戦(振戦)を取上げた. 振戦は上肢や指等の身体部位の振動である. 上肢振戦に関して基礎研究と応用研究を行った. 基礎的研究に於いては, 振戦振動の垂直方向と水平方向を同時に測定した. 健常者の上肢姿勢保持について上肢側方挙上し閉眼状態で測定した. 振戦のトータルパワーを用いて評価した. 垂直方向は3Hz付近の低周波成分が多く, 水平方向は10Hz付近の高周波成分が主要な振動成分である事を示した. これらの成分の発生源は, 機械反射成分と上位中枢成分であり, 測定条件(肩関節角度や肩関節疾患者)によって, これら成分の出現の特徴を示した. 応用研究に於いては, 3種の...

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Veröffentlicht in:人間工学 2008, Vol.44 (3), p.151-164
Hauptverfasser: 坂本和義, 黒川敏弘, 山路雄彦, 水戸和幸, 高野倉雅人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:生体機械的振動である生理的振戦(振戦)を取上げた. 振戦は上肢や指等の身体部位の振動である. 上肢振戦に関して基礎研究と応用研究を行った. 基礎的研究に於いては, 振戦振動の垂直方向と水平方向を同時に測定した. 健常者の上肢姿勢保持について上肢側方挙上し閉眼状態で測定した. 振戦のトータルパワーを用いて評価した. 垂直方向は3Hz付近の低周波成分が多く, 水平方向は10Hz付近の高周波成分が主要な振動成分である事を示した. これらの成分の発生源は, 機械反射成分と上位中枢成分であり, 測定条件(肩関節角度や肩関節疾患者)によって, これら成分の出現の特徴を示した. 応用研究に於いては, 3種の肩関節疾患者(腱板断裂, 肩関節周囲炎, 動揺肩の疾患者)を対象として研究した. 疾患者に於いては, 患側が健側よりもトータルパワーは大きかった. 疾患の種類によって, パワースペクトルの形状や周波数成分に特徴を有し, 疾患を評価可能であることを示した.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.44.151