視覚情報の差異に伴う心的活動変化の自発脳波律動に基づく評価の試み

本研究では, 視覚情報の差異に着目し, これらが心的な活動にどのような影響を与え, さらに大脳神経活動にどのような変化として発現するのかを調べることを目的に検討を行った. 実験では, 取り扱いが容易であり, 単純で基本的な対象と考えられることからロウソクの火(炎)に注目し, その視覚的な情報の特徴である炎の動きと色の有無, および実物と画像の差異について大脳神経活動との関連を調べるため, 12名の被験者を対象に自発脳波律動の測定を行った. また, SD法に基づく主観評価も実施した. その結果, 実物と画像間にはα波, β波の減衰, また色の有無についてはθ波の有意な減衰が観測され, これらが視...

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Veröffentlicht in:人間工学 2008, Vol.44 (2), p.67-75
Hauptverfasser: 加藤和夫, 志子田有光, 望月菜穂子, 石川敦雄, 小林宏一郎, 小林哲生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, 視覚情報の差異に着目し, これらが心的な活動にどのような影響を与え, さらに大脳神経活動にどのような変化として発現するのかを調べることを目的に検討を行った. 実験では, 取り扱いが容易であり, 単純で基本的な対象と考えられることからロウソクの火(炎)に注目し, その視覚的な情報の特徴である炎の動きと色の有無, および実物と画像の差異について大脳神経活動との関連を調べるため, 12名の被験者を対象に自発脳波律動の測定を行った. また, SD法に基づく主観評価も実施した. その結果, 実物と画像間にはα波, β波の減衰, また色の有無についてはθ波の有意な減衰が観測され, これらが視覚刺激間の差異に固有の心的活動を反映すると推察された. さらに, 本研究で用いた自発脳波の周波数帯域のパワー差に基づいた解析が, 情動など主観的な側面の大きな大脳神経活動を解明して行くうえで有効であることが示唆された.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.44.67