高齢者に優しいウェブデザインのための基礎的研究―知覚・認知・運動能力と画面情報量がウェブでの情報探索時間に及ぼす影響
近年, 高齢者によるインターネット利用率が増えている. これに伴って国内ではウェブコンテンツを対象とした情報アクセシビリティ規格(JIS X 8341-3)が制定され, ウェブサイトの使いやすさが追求されている. しかし, デザインを改善するだけではウェブサイトの使いやすさが向上しない場合がある. これは, 被験者の知覚・認知・運動能力を十分に考慮していないためであると考えられる. そこで本研究では被験者の知覚・認知・運動能力評価尺度を提案し, 実験要因として画面情報量と年齢を取り上げた. 更に画面情報量と「知覚・認知・運動能力評価尺度」の得点がウェブサイトを利用した情報探索時間にいかに影響す...
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Veröffentlicht in: | 人間工学 2008, Vol.44 (1), p.1-13 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 高齢者によるインターネット利用率が増えている. これに伴って国内ではウェブコンテンツを対象とした情報アクセシビリティ規格(JIS X 8341-3)が制定され, ウェブサイトの使いやすさが追求されている. しかし, デザインを改善するだけではウェブサイトの使いやすさが向上しない場合がある. これは, 被験者の知覚・認知・運動能力を十分に考慮していないためであると考えられる. そこで本研究では被験者の知覚・認知・運動能力評価尺度を提案し, 実験要因として画面情報量と年齢を取り上げた. 更に画面情報量と「知覚・認知・運動能力評価尺度」の得点がウェブサイトを利用した情報探索時間にいかに影響するかについて, 年齢要因を考慮して検討した. また, 重回帰分析を用いて情報探索時間に影響する要因を推定した. 実験から若年者, 高齢者共に画面情報量の増加に伴い情報探索時間が増加する事が分かった. 画面情報量が「小」(情報量3.58~3.70bit)の時は, 高齢者の平均探索時間が若年者の2倍であったのに対して, 「大」(情報量7.49~7.81bit)の場合は3.2倍となっていた. また, 高齢者の方が若年者よりも知覚・認知・運動能力が低下しており, 重回帰分析の結果から空間記憶能力, 空間作業能力, 手指運動能力が情報量と共に情報探索時間の増加に影響する事が分かった. |
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ISSN: | 0549-4974 |
DOI: | 10.5100/jje.44.1 |