周囲音が視覚遮断直進歩行に及ぼす影響

視覚遮断直進歩行において, 歩行中の周囲音が歩行者の方向判断に及ぼす影響を調べた. 最初の実験では, 三つの周囲音条件を設定した. 三つのうち二つの条件では進路の左右に置かれた二つのスピーカのいずれかから, 歩行中白色雑音を出力した. 残りの1条件では, スピーカから音を出さなかった. 被験者は目隠しを施した21歳から50歳の12名の男性であった. 被験者は出発地点において, 音(白色雑音), 触覚タイル, あるいは壁面のうち, いずれか一つを手がかりとして出発方向を決めた. その後, 被験者はいずれかの周囲音条件のもとで, 直進歩行を求められた. 実験2では, 実験1と同じ音と触覚タイルを出...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:人間工学 2006, Vol.42 (2), p.119-125
Hauptverfasser: 大倉元宏, 三浦崇路, 富永友樹, 丸山雄大, 池上敦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:視覚遮断直進歩行において, 歩行中の周囲音が歩行者の方向判断に及ぼす影響を調べた. 最初の実験では, 三つの周囲音条件を設定した. 三つのうち二つの条件では進路の左右に置かれた二つのスピーカのいずれかから, 歩行中白色雑音を出力した. 残りの1条件では, スピーカから音を出さなかった. 被験者は目隠しを施した21歳から50歳の12名の男性であった. 被験者は出発地点において, 音(白色雑音), 触覚タイル, あるいは壁面のうち, いずれか一つを手がかりとして出発方向を決めた. その後, 被験者はいずれかの周囲音条件のもとで, 直進歩行を求められた. 実験2では, 実験1と同じ音と触覚タイルを出発方向の手がかりとして用いた. 周囲音条件についても, 音圧を2種類(高/低)設定した以外は実験1と同じであった. 13名の目隠しをした21歳から51歳の男性を被験者とした. 両実験とも, 周囲音が歩行軌跡をその音源とは反対の側に有意に偏軌させるという結果を示した. そして, その音圧が高いと偏軌の程度が強まった. 出発方向の手がかりは歩行軌跡に有意な影響はもたないが, 触覚に比べて聴覚的手かがりでは, 左右への偏軌の程度が大きくなる傾向がみられた.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.42.119