定常歩行時に歩行補助車へ作用する力の分析

定常歩行時に歩行補助車の車輪とハンドグリップとに作用する力を, フォースプレートを用いた実験と力学モデルを用いた理論とにより分析した. 実験では, 力学的な分析手法を実証する基礎データを取得することを目的として, 若年健常男性10名を対象とし, 3種類の歩行補助車を使った定常歩行時に車輪へ作用する力を, 2枚のフォースプレートで測定した. 理論では, 矢状面および前額面での力やモーメントの釣り合いから, ハンドグリップや車輪に作用する力とトルクとを推定した. 分析の結果, 前後輪に作用する力は歩行補助車の重心位置に依存すること, 単脚支持期には非支持脚側の車輪に作用する力が大きくなることがわか...

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Veröffentlicht in:人間工学 2006, Vol.42 (1), p.22-30
1. Verfasser: 高野倉雅人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:定常歩行時に歩行補助車の車輪とハンドグリップとに作用する力を, フォースプレートを用いた実験と力学モデルを用いた理論とにより分析した. 実験では, 力学的な分析手法を実証する基礎データを取得することを目的として, 若年健常男性10名を対象とし, 3種類の歩行補助車を使った定常歩行時に車輪へ作用する力を, 2枚のフォースプレートで測定した. 理論では, 矢状面および前額面での力やモーメントの釣り合いから, ハンドグリップや車輪に作用する力とトルクとを推定した. 分析の結果, 前後輪に作用する力は歩行補助車の重心位置に依存すること, 単脚支持期には非支持脚側の車輪に作用する力が大きくなることがわかった. 後者は, 使用者がハンドグリップを非支持脚側へ押して, 単脚支持期の歩行姿勢を制御していることが原因である, 荷物を積載するカゴの位置は, 前後輪に作用する力の不均衡に大きく影響するので, 人間工学的な観点から設計すべきである.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.42.22