通勤車両内における支持具の利用実態把握調査

高齢者に配慮した通勤車両内における支持具の最適配置に資するため, 乗客の立ち位置, 利用する支持具とその理由, 身長との関係を把握する郵送アンケート調査を行った. 60歳以上998通, 59歳以下387通の回収を得て, 以下を明らかにした. (1)高齢者は閑散時間帯の利用が多いにも関わらず, 41%が座れないことが多いと回答しており, 立っている高齢者に配慮した支持具配置が必要である, (2)高齢者は着席への期待から座席前に立って吊り手を利用しているが, この位置に縦手すりがある場合にその利用率は若年群より高い, (3)座席前以外では, 乗降しやすさや縦手すりがあることを理由にドア脇に立つこと...

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Veröffentlicht in:人間工学 2003, Vol.39 (6), p.308-317
Hauptverfasser: 斎藤綾乃, 鈴木浩明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:高齢者に配慮した通勤車両内における支持具の最適配置に資するため, 乗客の立ち位置, 利用する支持具とその理由, 身長との関係を把握する郵送アンケート調査を行った. 60歳以上998通, 59歳以下387通の回収を得て, 以下を明らかにした. (1)高齢者は閑散時間帯の利用が多いにも関わらず, 41%が座れないことが多いと回答しており, 立っている高齢者に配慮した支持具配置が必要である, (2)高齢者は着席への期待から座席前に立って吊り手を利用しているが, この位置に縦手すりがある場合にその利用率は若年群より高い, (3)座席前以外では, 乗降しやすさや縦手すりがあることを理由にドア脇に立つことが多い, (4)吊り手の高さに不満を感じる身長帯域はおおむね155cm未満である. この身長帯域では, 支持具数に対する満足度が比較的低く, 縦手すりの利用割合が高い, (5)身長175cm以上の場合にも吊り手の高さに対する満足度が低下する傾向がある.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.39.308