休憩時の覚醒度変化がその後の作業成績に及ぼす影響

単調作業から生じる覚醒度の低下を防止する方法の一つとして短時間休憩がある. 本報では, 効果的な休憩の取り方について検討することを目的に, 覚醒度が低下するような休憩方法(閉眼または閉眼+音楽)を用い, 休憩中の脳波変化の違いが休憩後の課題成績に及ぼす影響を調べた. また, 休憩直後に行う覚醒度上昇方策の効果を検討した. 休憩中の脳波変化は大きく3タイプ(θ・α2・β1波が増加するタイプ1, θ波のみが増加するタイプ2, どの帯域も変化しないタイプ3)に分類された. このタイプによって, 休憩後の課題成績に違いが見られた. タイプ1が成績維持にもっとも有効であり, 一方でタイプ3のみ課題時間の...

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Veröffentlicht in:人間工学 2002, Vol.38 (1), p.32-43
Hauptverfasser: 廣瀬文子, 長坂彰彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:単調作業から生じる覚醒度の低下を防止する方法の一つとして短時間休憩がある. 本報では, 効果的な休憩の取り方について検討することを目的に, 覚醒度が低下するような休憩方法(閉眼または閉眼+音楽)を用い, 休憩中の脳波変化の違いが休憩後の課題成績に及ぼす影響を調べた. また, 休憩直後に行う覚醒度上昇方策の効果を検討した. 休憩中の脳波変化は大きく3タイプ(θ・α2・β1波が増加するタイプ1, θ波のみが増加するタイプ2, どの帯域も変化しないタイプ3)に分類された. このタイプによって, 休憩後の課題成績に違いが見られた. タイプ1が成績維持にもっとも有効であり, 一方でタイプ3のみ課題時間の経過に従い, 成績が低下した. また, 覚醒度上昇方策は, タイプ1のとき成績維持により効果的に働いた. 脳波変化タイプと睡眠段階との比較から, 休憩中にStage II程度の睡眠を得られることが, その後の成績維持に役立つことが考察された. 1.「はじめに」橋本1)は, 大脳の活動水準を脳波によって, フェーズ0(睡眠や失神状態)からフェーズIV(パニック状態)の5段階に分類し, 各フェーズにおける人間の生理的状態や信頼性を示している.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.38.32