迷路探索歩行時の注視と歩行に関する研究

経路学習時の注視行動と歩行の関係は, その重要性にもかかわらず, これまでに実験的検討が行われていない. 本研究では, 注視と歩行に関する新しい測定・解析方法を開発するとともに, 経路学習の眼球および身体運動の基礎的特性を明らかにすることを目的とした. 実験では, アイカメラをつけた被験者が, 迷路を学習するまでスタートからゴールを目指して2, 3回歩く. その後, 被験者は迷路の風景とイメージマップを再生描画する. そして, 注視点の位置, 注視時間, 注視距離, 歩行者の身体や頭部の移動軌跡といった, 実験で得られる複雑なデータの表示, 解析方法を提案した. それと同時に, この方法により...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:人間工学 1999, Vol.35 (3), p.145-155
Hauptverfasser: 北濱亨, 三浦利章, 岡崎甚幸, 篠原一光, 田村仁志, 松井裕子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:経路学習時の注視行動と歩行の関係は, その重要性にもかかわらず, これまでに実験的検討が行われていない. 本研究では, 注視と歩行に関する新しい測定・解析方法を開発するとともに, 経路学習の眼球および身体運動の基礎的特性を明らかにすることを目的とした. 実験では, アイカメラをつけた被験者が, 迷路を学習するまでスタートからゴールを目指して2, 3回歩く. その後, 被験者は迷路の風景とイメージマップを再生描画する. そして, 注視点の位置, 注視時間, 注視距離, 歩行者の身体や頭部の移動軌跡といった, 実験で得られる複雑なデータの表示, 解析方法を提案した. それと同時に, この方法により探索歩行時の注視と歩行に関するいくつかの特性を見出した. その主なものは, 視線, 頭部, 身体の協応的な基本的な動きについてである. すなわちそれらの協応パターンは探索歩行を繰り返す中でランダムで複雑なものから, 体制化されたものへと次第に変容する. さらに, 注視と描画の関係についても考察を加えた.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.35.145