家電製品の報知音の計測 -高齢者の聴覚特性に基づく検討

高齢者の聴覚特性に適合した報知音を検討するために, 現在市販されている家電製品の報知音の測定を行った. その結果, 以下の3点が問題として明らかとなった:(1)4000Hz付近の高い周波数の音が多用されている. これらの音は聴力の低下した高齢者にとって聞き取りにくいものであり, より低い周波数の音の使用が望まれる. ただし, 家庭内で生じる環境音は低域の成分が相対的に強いため, 報知音の周波数を下げることによって, それらの音にマスクされて聞き取りにくくならないよう注意する必要がある. (2)非常に小さな音を用いた製品がある. 高齢者の聴力に合わせた, 適切な音量設定が必要と考えられる. (3...

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Veröffentlicht in:人間工学 1998, Vol.34 (4), p.215-222
Hauptverfasser: 倉片憲治, 久場康良, 口ノ町康夫, 松下一馬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:高齢者の聴覚特性に適合した報知音を検討するために, 現在市販されている家電製品の報知音の測定を行った. その結果, 以下の3点が問題として明らかとなった:(1)4000Hz付近の高い周波数の音が多用されている. これらの音は聴力の低下した高齢者にとって聞き取りにくいものであり, より低い周波数の音の使用が望まれる. ただし, 家庭内で生じる環境音は低域の成分が相対的に強いため, 報知音の周波数を下げることによって, それらの音にマスクされて聞き取りにくくならないよう注意する必要がある. (2)非常に小さな音を用いた製品がある. 高齢者の聴力に合わせた, 適切な音量設定が必要と考えられる. (3)互いに似通った音色や鳴らし方のパターンが多いため, どの製品の音が鳴ったのかが区別しにくい. そのために混乱をきたす可能性があると考えられる. 1. はじめに 本格的な高齢社会を迎えるにあたり, 近年, 我が国でもさまざまな分野でその対応が検討されるようになってきた. これまで若年層中心に開発が進められる傾向にあった家電製品にも, 高齢者の使用に配慮したものが数多くみられるようになってきている.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.34.215