メンタルワークロード(MWL)の測定・評価法に関する実験的検討

メンタルワークロード(MWL)の測定・評価のための精神的作業課題のプロトタイプとして提案した"戻し付き段階的暗算ペース負荷"を用い, この負荷レベルと主観的ワークロード評価ないしパフォーマンスとの関係を実験的に検討した. さらに, 生体情報によるMWLの客観的かつ定量的な評価に向けて, R-R間隔変動のLF帯域パワースペクトル(LFP)やHF帯域パワースペクトル(HFP)のほかに, 動脈の圧受容体反射感受性(BRS)にも着目し, 負荷レベルとの関係から, これら心循環系パラメータによる生体負担の意味でのMWLの測定・評価の可能性についても検討を加えた. 主観的ワークロード評...

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Veröffentlicht in:人間工学 1996-10, Vol.32 (5), p.251-259
Hauptverfasser: 平柳要, 岩崎賢一, 神田省吾, 谷島一嘉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:メンタルワークロード(MWL)の測定・評価のための精神的作業課題のプロトタイプとして提案した"戻し付き段階的暗算ペース負荷"を用い, この負荷レベルと主観的ワークロード評価ないしパフォーマンスとの関係を実験的に検討した. さらに, 生体情報によるMWLの客観的かつ定量的な評価に向けて, R-R間隔変動のLF帯域パワースペクトル(LFP)やHF帯域パワースペクトル(HFP)のほかに, 動脈の圧受容体反射感受性(BRS)にも着目し, 負荷レベルとの関係から, これら心循環系パラメータによる生体負担の意味でのMWLの測定・評価の可能性についても検討を加えた. 主観的ワークロード評価(自己記入式0-10グラフィカルスコア)やパフォーマンス(正答率)の成績からみて, 精神的作業課題の負荷レベルが生体負担の意味でのMWLの順序尺度として利用できることが確かめられた. また, 負荷レベルの高まりにつれて, 呼吸数(Rr)の増加傾向とLFPおよびHFPの減少傾向が見出された. 呼吸の変化の影響を受けにくいといわれているBRSは, 負荷レベルに対し単調に減少する傾向があり, 収縮期血圧(SBP)とR-R間隔(RRI)の連続測定からBertinieriらの方法により比較的簡単に推定できる. したがって, BRSはRrやLFPおよびHFPに加えて, 生体負担の意味でのMWLを定量的かつ客観的に測定・評価するための新たな指標として適用できると考えられた.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.32.251