揺りかごによる振動刺激が新生児に及ぼす影響

揺りかごによる振動刺激が新生児にどのような影響を与えるかを, 新生児の啼泣と生理学的指標に着目して検討した. 健康新生児54名を対象に, 振動周波数1Hz, 振幅55mm, 加速度1m/s2, Z軸方向, 正弦波振動を5分間負荷した. その結果を要約すると次のとおりである. (1)揺りかごの振動刺激は新生児の啼泣を速やかに停止させる効果が認められた. (2)揺りかごの振動刺激は啼泣中の新生児の心拍数, 末梢体表面温度, CV R-Rを減少させ, 呼吸数を増加させた. (3)揺りかごの振動刺激は睡眠中の新生児の末梢体表面温度, CV R-Rを減少させ, 呼吸数を増加させた. (4)今回使用した振...

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Veröffentlicht in:人間工学 1995-12, Vol.31 (6), p.369-377
Hauptverfasser: 江守陽子, 青木和夫, 吉田義之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:揺りかごによる振動刺激が新生児にどのような影響を与えるかを, 新生児の啼泣と生理学的指標に着目して検討した. 健康新生児54名を対象に, 振動周波数1Hz, 振幅55mm, 加速度1m/s2, Z軸方向, 正弦波振動を5分間負荷した. その結果を要約すると次のとおりである. (1)揺りかごの振動刺激は新生児の啼泣を速やかに停止させる効果が認められた. (2)揺りかごの振動刺激は啼泣中の新生児の心拍数, 末梢体表面温度, CV R-Rを減少させ, 呼吸数を増加させた. (3)揺りかごの振動刺激は睡眠中の新生児の末梢体表面温度, CV R-Rを減少させ, 呼吸数を増加させた. (4)今回使用した振動刺激は, 啼泣している児については鎮静化する効果が認められた. しかし, 睡眠中の児には覚醒へと導く強い刺激となった. 今回の実験で用いた加速度は, 新生児の啼泣を停止させるためには十分な加速度であると考えられたが, 睡眠中の児に対しては覚醒を引き起こすため, もっと弱い加速度の振動が望ましいと考えられた. 「1. はじめに」人体に影響を及ぼす全身的な振動刺激には, 不快振動ばかりではなく, 揺りかごやロッキングチェアに代表されるような快感を得ることのできる振動もある.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.31.369