照合課題における方略選択と主観的ワークロードの関係

本研究では, メンタルワークロード研究の個人差調整の一指針として, 問題処理方略と主観的ワークロードの関係を検討した. 実験は, 呈示情報の名辞の属性の異なる4種類の照合課題を用いて行った. 問題処理方略群を言語的処理方略群, 空間的処理方略群, および混合処理方略群に分類(MacLeod and Hunt, 1978)して検討した結果, (1)同じ呈示情報でもその処理方略には個人差が存在し, 主観的ワークロードは, 言語的処理群が空間的処理群よりも高い値を示した. (2)主観的ワークロードの軽減には, 空間的処理群は照合時の, 言語的処理群は理解時の認知的負荷の減少が有効という知見が得られた...

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Veröffentlicht in:人間工学 1995, Vol.31 (5), p.331-336
Hauptverfasser: 柴田哲史, 原田一, 勝浦哲夫, 菊池安行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, メンタルワークロード研究の個人差調整の一指針として, 問題処理方略と主観的ワークロードの関係を検討した. 実験は, 呈示情報の名辞の属性の異なる4種類の照合課題を用いて行った. 問題処理方略群を言語的処理方略群, 空間的処理方略群, および混合処理方略群に分類(MacLeod and Hunt, 1978)して検討した結果, (1)同じ呈示情報でもその処理方略には個人差が存在し, 主観的ワークロードは, 言語的処理群が空間的処理群よりも高い値を示した. (2)主観的ワークロードの軽減には, 空間的処理群は照合時の, 言語的処理群は理解時の認知的負荷の減少が有効という知見が得られた. 「1. はじめに」メンタルワークロード(MWL)研究の分野では, 作業負荷の計量化が多様な方法によって行われている1). 作業分析手法(タイムスタディや作業観察法), 生理学的手法(心拍数変動, 事象関連電位など), 行動学的手法(二重課題法), 主観的方法(SWAT, NASA-TLXなど)などがこれにあたる. しかし, 同一作業から受ける作業負担には個人差が生じ, 技量レベルや関連知識, 性格特性, 情報処理能力, 処理容量などの問題2,3)からメンタルワークロードの特定を困難なものとしている.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.31.331