フライトシミュレータを用いた操縦者の視線移動に関する研究

本研究では, 航空機操縦者8名のフライトシミュレータ操縦時の視線移動を測定し, 飛行課目間での視線移動の違いと, シミュレータによる飛行と実際の航空機による飛行(以後, 実機と表記)を比較した主観的緊張度, 飛行課目実施時の主観的余裕度, 疲労度, 難易度, そして心拍数が, 視線移動とどのような関係にあるかを分析評価した. 実験の結果, 次の知見が得られた. (1)視線停留時間の平均値には, 最短視線停留時間との間に差が認められなかった. (2)計器停留時間には, 飛行課目間の差が認められなかった. (3)視覚情報の入手を計器に依存し, 視線移動速度の小さい飛行では, 実機と比較して主観的緊...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:人間工学 1995, Vol.31 (3), p.225-233
Hauptverfasser: 西修二, 大久保堯夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では, 航空機操縦者8名のフライトシミュレータ操縦時の視線移動を測定し, 飛行課目間での視線移動の違いと, シミュレータによる飛行と実際の航空機による飛行(以後, 実機と表記)を比較した主観的緊張度, 飛行課目実施時の主観的余裕度, 疲労度, 難易度, そして心拍数が, 視線移動とどのような関係にあるかを分析評価した. 実験の結果, 次の知見が得られた. (1)視線停留時間の平均値には, 最短視線停留時間との間に差が認められなかった. (2)計器停留時間には, 飛行課目間の差が認められなかった. (3)視覚情報の入手を計器に依存し, 視線移動速度の小さい飛行では, 実機と比較して主観的緊張度, 疲労度, 難易度, 心拍数が小さくなった. (4)飛行中の視線移動速度が速いほど, 疲労度, 難易度, 心拍数が高くなった. (5)外部視界停留時間の短く計器停留時間の長い飛行では, 実機と比較した緊張度が小さくなった. (6)シミュレータの着陸では, 実機と比較して計器停留時間率が大きくなった. 「1. はじめに」人間の知覚は, 三次元空間を飛行する航空機の高度, 速度, 姿勢などの状態を的確に把握できない.
ISSN:0549-4974
DOI:10.5100/jje.31.225