乳児への歌いかけと母親の育児自己効力感およびボンディングとの関連: 歌いかけへの評価に着目して

「問題と目的」養育者から乳児への歌いかけは, あらゆる文化でみられる普遍的な育児行動の一つであり, 意義と効果が論じられてきた (Trehub & Trainor, 1998 ; 黒石・梶川, 2008 ; 吉永・無藤, 2012). 先行研究では, Infant-directed singing (de l'Etoile, 2006 ; 今福・大橋・明和, 2016), Singing to baby / infant (Trehub & Trainor, 1998 ; Fancourt & Perkins, 2017), Maternal singing (Nakata & Trehub, 2004), Infant-directed lullaby and play song (Rock, Trainor & Addison, 1999) など, それぞれ異なった用語が用いられていることもあって, 歌いかけの定義が明確には確立されていない.