孫・祖父母関係と家族機能の関連

「問題と目的」総務省(2019)によると, 日本の総人口は減少しているものの, 2019年の高齢者(65歳以上)の人口は3588万人で, 前年と比べ32万人増加し, 過去最多を更新している. 高齢者が総人口に占める割合は, 28.4%となっており, 世界最高である. 高齢者がもつ特有の関わりのひとつとして, 孫との関わりが挙げられる. 平均寿命が伸びていること, 死亡率と出生率が低下していることから, 高齢者は, 少数の孫とより長期的に継続する関係をもつこととなっている(西野・米村, 2019). また, 65歳以上の者がいる3世代世帯は, 2019年において9.4%であり, 年々減少している...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:家族心理学研究 2021/09/30, Vol.35(1), pp.28-40
Hauptverfasser: 野中, 響子, 奥野, 雅子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「問題と目的」総務省(2019)によると, 日本の総人口は減少しているものの, 2019年の高齢者(65歳以上)の人口は3588万人で, 前年と比べ32万人増加し, 過去最多を更新している. 高齢者が総人口に占める割合は, 28.4%となっており, 世界最高である. 高齢者がもつ特有の関わりのひとつとして, 孫との関わりが挙げられる. 平均寿命が伸びていること, 死亡率と出生率が低下していることから, 高齢者は, 少数の孫とより長期的に継続する関係をもつこととなっている(西野・米村, 2019). また, 65歳以上の者がいる3世代世帯は, 2019年において9.4%であり, 年々減少している(厚生労働省, 2020). 多くの高齢者が, 孫と別居していることがうかがえる. Erikson(1986)は, 「高齢者が孫と関わることは自己の生命が途絶えても, 精神が次世代に引き継がれる信頼を形成し, そのことが死への不安を和らげる.
ISSN:0915-0625
2758-3805
DOI:10.57469/jafp.35.1_28