障害のある子どものきょうだいと保護者の関係性支援に関する実践的研究: ポートフォリオ「家族の紹介ブック」創作活動を通して
「問題と目的」障害のある子ども(以下, 同胞)の兄弟姉妹(以下, きょうだい)が抱える心理社会的適応上の問題については, 親子関係の影響が指摘されている. きょうだいの心理的負担に母親の養育態度が関与すること(三原・門脇・高松, 2003)や, きょうだいの同胞へのかかわりにきょうだいに対する母親の態度が関係する(田倉, 2007)との報告がある. また, きょうだいは, 親の注目が同胞に向くため疎外感を抱える(Meyer & Vadasy, 2007), 心の問題に影響するほどの極端な「家族内役割」を担ってしまう(遠矢, 2009), 自分の全てを受け入れてもらったという主観的経験が...
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Veröffentlicht in: | 家族心理学研究 2015/12/31, Vol.29(2), pp.85-98 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「問題と目的」障害のある子ども(以下, 同胞)の兄弟姉妹(以下, きょうだい)が抱える心理社会的適応上の問題については, 親子関係の影響が指摘されている. きょうだいの心理的負担に母親の養育態度が関与すること(三原・門脇・高松, 2003)や, きょうだいの同胞へのかかわりにきょうだいに対する母親の態度が関係する(田倉, 2007)との報告がある. また, きょうだいは, 親の注目が同胞に向くため疎外感を抱える(Meyer & Vadasy, 2007), 心の問題に影響するほどの極端な「家族内役割」を担ってしまう(遠矢, 2009), 自分の全てを受け入れてもらったという主観的経験が不足するなど機能不全家族の中で育つ(吉川, 2002)と指摘されており, 親子関係の課題は, 同胞を育てる家族システムから生じると考えられる. 一方, 親子間コミュニケーションについて, 戸田(2012)は, 「きょうだいは家族内での居場所に不安定さを感じているために, 親と対立するかもしれない自らの主張を躊躇せざるを得ない」と述べている. |
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ISSN: | 0915-0625 2758-3805 |
DOI: | 10.57469/jafp.29.2_85 |