過去の両親と過去の自分に対するイメージが現在の精神的健康に及ぼす影響: 過去の出来事の回想機能との関連

「問題と目的」 個人の現在の感情・認知には, 少なからず, 過去の両親に対するイメージや過去の自分に対するイメージによって形成されたスキーマが反映していると思われる. スキーマとは, 「比較的まとまった持続的な知識の集合を形成する過去の反応や経験の体制化された要素であり, その後の知覚や評価を導く」ものである(Young, 1990). このことから, 過去の両親や過去の自分に対する肯定的なイメージは, 物事のポジティブな知覚や評価を導くスキーマを形成すると考えられる. これに対して, 過去の両親や過去の自分に対する否定的なイメージは, 否定的な自動思考や非機能的な態度の基盤となる感情・認知の...

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Veröffentlicht in:家族心理学研究 2014/12/31, Vol.28(1), pp.1-13
Hauptverfasser: 今野, 義孝, 吉川, 延代
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「問題と目的」 個人の現在の感情・認知には, 少なからず, 過去の両親に対するイメージや過去の自分に対するイメージによって形成されたスキーマが反映していると思われる. スキーマとは, 「比較的まとまった持続的な知識の集合を形成する過去の反応や経験の体制化された要素であり, その後の知覚や評価を導く」ものである(Young, 1990). このことから, 過去の両親や過去の自分に対する肯定的なイメージは, 物事のポジティブな知覚や評価を導くスキーマを形成すると考えられる. これに対して, 過去の両親や過去の自分に対する否定的なイメージは, 否定的な自動思考や非機能的な態度の基盤となる感情・認知の枠組みとなるスキーマを形成すると考えられる(Beck, 1976). スキーマを構成する信念や記憶は, 個人のアイデンティティの中心的なものであり, その起源は幼児期における両親との愛着関係にまで遡る.
ISSN:0915-0625
2758-3805
DOI:10.57469/jafp.28.1_1