穿刺吸引細胞診で転移性肺腺癌と鑑別困難であった原発性肺腺癌の一例

転移性癌であるか原発性癌であるかを区別するのは治療方針を考えるうえで不可欠である. 今回直腸癌術後に原発性肺腺癌と診断され, その後別部位に転移性肺腺癌が発生した症例を経験した. 原発性肺腺癌と診断された穿刺吸引細胞診では転移性か原発性かの鑑別が困難であったので, その後転移性肺腺癌と診断された細胞所見と比較し再検討し報告する. 「1. はじめに」 肺は血行性転移の多い臓器の一つで, 肺腫瘍の診断においては常に転移性腫瘍の可能性を念頭に置く必要がある. その結果は治療方針に直接影響し, 原発性肺癌であればリンパ節郭清を伴う肺切除, 転移性腫瘍であれば部分切除もしくは全身化学療法といった選択につ...

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Veröffentlicht in:三菱京都病院医学総合雑誌 2016-12, Vol.23, p.39-42
Hauptverfasser: 藤井真由美, 山下直己, 鶴山竜昭, 中嶋安彬
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:転移性癌であるか原発性癌であるかを区別するのは治療方針を考えるうえで不可欠である. 今回直腸癌術後に原発性肺腺癌と診断され, その後別部位に転移性肺腺癌が発生した症例を経験した. 原発性肺腺癌と診断された穿刺吸引細胞診では転移性か原発性かの鑑別が困難であったので, その後転移性肺腺癌と診断された細胞所見と比較し再検討し報告する. 「1. はじめに」 肺は血行性転移の多い臓器の一つで, 肺腫瘍の診断においては常に転移性腫瘍の可能性を念頭に置く必要がある. その結果は治療方針に直接影響し, 原発性肺癌であればリンパ節郭清を伴う肺切除, 転移性腫瘍であれば部分切除もしくは全身化学療法といった選択につながる. 今回直腸癌術後に原発性肺腺癌と診断された症例の穿刺吸引細胞診が, 原発性なのか転移性なのかの鑑別が困難であった.
ISSN:1342-7520