肝機能障害を契機に診断された全身性原発性アミロイドーシスの一例

症例は66歳女性で, 当院初診の4年ぐらい前から徐々に肝機能が悪化し, 当院を紹介された. AST39IU/L, ALT51IU/L, LDH226IU/L, ALP730IU/L, γ-GTP 425IU/Lと胆道系優位の肝機能障害を認めた. 原因が不明であり, 2カ月後に再検したところ悪化していたため, 肝生検を行った. 肝生検標本では, ほとんどのグリソン鞘が均一なヒアリン様物質で占拠されており, 胆管, 血管がほとんど確認できない状態であった. このヒアリン様物質は, コンゴレッド染色で橙赤色に染まり, アミロイドーシスと診断された. さらに各種アミロイド蛋白の特異抗体による染色で,...

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Veröffentlicht in:三菱京都病院医学総合雑誌 2016-12, Vol.23, p.35-38
Hauptverfasser: 鍋島紀滋, 玉置美賀子, 山賀雄一, 田中淳也, 土江宏明, 守上佳樹, 堀田剛, 水野雅博, 京極方久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は66歳女性で, 当院初診の4年ぐらい前から徐々に肝機能が悪化し, 当院を紹介された. AST39IU/L, ALT51IU/L, LDH226IU/L, ALP730IU/L, γ-GTP 425IU/Lと胆道系優位の肝機能障害を認めた. 原因が不明であり, 2カ月後に再検したところ悪化していたため, 肝生検を行った. 肝生検標本では, ほとんどのグリソン鞘が均一なヒアリン様物質で占拠されており, 胆管, 血管がほとんど確認できない状態であった. このヒアリン様物質は, コンゴレッド染色で橙赤色に染まり, アミロイドーシスと診断された. さらに各種アミロイド蛋白の特異抗体による染色で, AL(κ)型アミロイドーシスと診断された. 「1. はじめに」 アミロイドーシスは特異な蛋白であるアミロイド物質が全身に沈着する疾患である.
ISSN:1342-7520