列車到着間隔と乗車行動―日常行動の分析

研究目的 本研究では日常行動の分析の一例として, 列車の到着間隔が乗車行動に影響するかどうかについて検討することを目的とした. 研究計画 列車到着間隔中に, ホームに到着する人数のパターンを, 列車到着間隔の異なる3つの駅で比較した. 場面 関西地方の鉄道会社の駅で, 普通列車のみ停車する3つの駅を選び, それぞれの上りホームで到着人数の測定を行った. 被験者 各駅を利用する不特定の人々であった. 独立変数 1時間あたりに到着する列車の本数(2本, 6本, 12本)であった. 行動の指標 測度は列車到着間隔を4等分し, そのそれぞれの間隔に到着した人数の割合であった. 結果 列車到着間隔が大き...

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Veröffentlicht in:行動分析学研究 2003, Vol.18 (1), p.38-44
Hauptverfasser: 松本明生, 大河内浩人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:研究目的 本研究では日常行動の分析の一例として, 列車の到着間隔が乗車行動に影響するかどうかについて検討することを目的とした. 研究計画 列車到着間隔中に, ホームに到着する人数のパターンを, 列車到着間隔の異なる3つの駅で比較した. 場面 関西地方の鉄道会社の駅で, 普通列車のみ停車する3つの駅を選び, それぞれの上りホームで到着人数の測定を行った. 被験者 各駅を利用する不特定の人々であった. 独立変数 1時間あたりに到着する列車の本数(2本, 6本, 12本)であった. 行動の指標 測度は列車到着間隔を4等分し, そのそれぞれの間隔に到着した人数の割合であった. 結果 列車到着間隔が大きくなるにつれ, 列車が来る直前に人はホームに来る傾向があった. 結論 これらの結果は, 列車到着間隔という変数が, 連続強化スケジュールやFIスケジュールといった強化スケジュールとして機能することを示唆するものである. また, 実験的人間行動分析について生態学的妥当性の観点から論じた. 問題と目的 個体と環境との機能的関係を分析する行動分析は, 以下の3つの研究領域に分けることができる. まず1つは, 実験的行動分析と呼ばれる領域である. 厳密に実験条件が統制される実験室において, 主にラットやハトなど, 実験前および実験外変数の統制の容易な動物を被面体として, 行動の原理が研究されてきた(坂上・山本・実森, 1994).
ISSN:0913-8013