単一事例実験計画に基づくデータの評価法として、統計的検定が用いられる日は来るのか? : 山田論文(1999)を読んで
単一事例実験計画に基づくデータの統計的検定は, 行動分析の内と外の両方に大きな影響を及ぼすと思われる. 統計的検定という, 行動分析の外側にあるほとんどすべての心理学で重視されているデータ評価法が単一事例実験データに用いられることになれば, 行動分析以外の心理学者が, 行動分析の研究に親しみやすくなるかもしれない(堀, 1996). 他方, 統計的検定の適用は, visual inspectionとの判断結果の食い違いをもたらす可能性をはらんでいる(河合・河本・大河内, 1987). 検定の適用を契機として, これまで行動分析の内側にいる人々が信じてきた実験事実を, 統計的手法を用いて見なおす...
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Veröffentlicht in: | 行動分析学研究 2000/09/25, Vol.15(1), pp.35-36 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 単一事例実験計画に基づくデータの統計的検定は, 行動分析の内と外の両方に大きな影響を及ぼすと思われる. 統計的検定という, 行動分析の外側にあるほとんどすべての心理学で重視されているデータ評価法が単一事例実験データに用いられることになれば, 行動分析以外の心理学者が, 行動分析の研究に親しみやすくなるかもしれない(堀, 1996). 他方, 統計的検定の適用は, visual inspectionとの判断結果の食い違いをもたらす可能性をはらんでいる(河合・河本・大河内, 1987). 検定の適用を契機として, これまで行動分析の内側にいる人々が信じてきた実験事実を, 統計的手法を用いて見なおす動きもでてくるかもしれない. 山田(1999)は, このような重要なテーマを扱い, かつ, 2つの検定法の長短を, コンピュータシミュレーションを用いて実証的に検討した. 現時点で実用的な検定法と考えられるランダマイゼーション検定とC統計に注目し, その検定力を, コンピュータシミュレーションを用いて比較した. C統計の検定力は系列依存性の影響を強く受ける, ランダマイゼーション検定の検定力は系列依存性の影響を受けないが, 全体に検定力が小さい, という結果を得た. |
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ISSN: | 0913-8013 2424-2500 |
DOI: | 10.24456/jjba.15.1_35 |