化学放射線療法中の進行がん患者に対する骨格筋電気刺激の使用経験

化学放射線療法中に運動療法が十分に施行できなかったがん患者一例に対し,廃用症候群進行の予防を目的としてベルト電極式骨格筋電気刺激法(以下,B-SES)を施行したのでその経験を報告する。症例は胸部食道がんに対する手術後に7週間の化学放射線療法を施行,その期間中に運動療法に加えてB-SESを行った。化学放射線療法の副作用により運動療法が困難な日が15日間あったが,B-SESは実施困難な日はなく35日間継続して施行できた。化学放射線療法期間の前後で,膝関節伸展筋力と下肢周囲径は維持し,窒素バランスはマイナスからプラスへ変化し,Performance statusは3から1へ改善した。患者からは,B-...

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Veröffentlicht in:東北理学療法学 2021, Vol.33, pp.75-81
Hauptverfasser: 小玉, 岳, 会津, 直樹, 佐藤, 房郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:化学放射線療法中に運動療法が十分に施行できなかったがん患者一例に対し,廃用症候群進行の予防を目的としてベルト電極式骨格筋電気刺激法(以下,B-SES)を施行したのでその経験を報告する。症例は胸部食道がんに対する手術後に7週間の化学放射線療法を施行,その期間中に運動療法に加えてB-SESを行った。化学放射線療法の副作用により運動療法が困難な日が15日間あったが,B-SESは実施困難な日はなく35日間継続して施行できた。化学放射線療法期間の前後で,膝関節伸展筋力と下肢周囲径は維持し,窒素バランスはマイナスからプラスへ変化し,Performance statusは3から1へ改善した。患者からは,B-SESは運動療法より負担が少ないため抵抗なく実施できたとの発言があった。このようにB-SESは化学放射線療法中に運動療法が困難な状況でも運動療法の補助として用いることができ,身体機能や身体活動低下の予防に寄与する可能性を示した。
ISSN:0915-2180
2189-5686
DOI:10.15049/artsjpta.33.0_75