当院訪問リハを利用した在宅ALS 患者の呼吸療法の実施内容と転帰

ALSは原因不明の進行性の神経変性疾患で,呼吸管理を選択しなければ早期に死に至る。本研究では当院訪問リハを利用した在宅ALS患者の呼吸療法の実施内容と転帰から,訪問する理学療法士に要求される内容を明らかにする事を目的とした。対象は平成16年4月~平成29年4月に当院訪問リハを利用した在宅ALS 患者75例。結果,呼吸療法は67例で実施され,実施内容は多岐にわたった。呼吸リハは全例で行われており,機器では吸引器が最も多かった。転帰は自然経過で在宅看取り,進行により入院し死亡,急変し救急搬送され死亡,ALS以外の疾患で入院,社会的入院となる傾向にあった。呼吸器感染症による死亡は1例のみであった。在...

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Veröffentlicht in:東北理学療法学 2018/09/01, Vol.30, pp.39-43
Hauptverfasser: 平林, 大輔, 中田, 隆文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ALSは原因不明の進行性の神経変性疾患で,呼吸管理を選択しなければ早期に死に至る。本研究では当院訪問リハを利用した在宅ALS患者の呼吸療法の実施内容と転帰から,訪問する理学療法士に要求される内容を明らかにする事を目的とした。対象は平成16年4月~平成29年4月に当院訪問リハを利用した在宅ALS 患者75例。結果,呼吸療法は67例で実施され,実施内容は多岐にわたった。呼吸リハは全例で行われており,機器では吸引器が最も多かった。転帰は自然経過で在宅看取り,進行により入院し死亡,急変し救急搬送され死亡,ALS以外の疾患で入院,社会的入院となる傾向にあった。呼吸器感染症による死亡は1例のみであった。在宅ALS患者に訪問する理学療法士は,ALSは進行し,急変に遭遇する可能性があることや,介護負担の可能性を理解し,従来の排痰法に加え,喀痰吸引の知識と技術の習得は必須と考えられた。
ISSN:0915-2180
2189-5686
DOI:10.15049/artsjpta.30.0_39