運動観察時の動画再生速度がボール回転課題の両手間転移効果に及ぼす影響

【目的】本研究は,運動観察の効果を高めることを目的として,観察する動画の再生速度を徐々に速めていくことが学習効果に影響を与えるかを,両手間転移効果を用いて調べるものである。 【方法】対象者は右利きの健常成人で,課題は左手手掌でのボール回転課題とし,ボール回転数を測定した。対象者を介入群と対照群にランダムに割り当て,それぞれに右手掌でボール回転を実施している動画(対照群は速度が一定,介入群は徐々に回転速度が上昇)を視聴させた。 【結果】対照群と介入群における主効果は有意差を認め,二群間の運動観察後のボール回転数に有意差が認められた。 【結語】徐々に速度が上昇する動画は,両手間転移を引き起こしたこ...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東北理学療法学 2015, Vol.27, pp.1-4
1. Verfasser: 岩坂, 憂児
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】本研究は,運動観察の効果を高めることを目的として,観察する動画の再生速度を徐々に速めていくことが学習効果に影響を与えるかを,両手間転移効果を用いて調べるものである。 【方法】対象者は右利きの健常成人で,課題は左手手掌でのボール回転課題とし,ボール回転数を測定した。対象者を介入群と対照群にランダムに割り当て,それぞれに右手掌でボール回転を実施している動画(対照群は速度が一定,介入群は徐々に回転速度が上昇)を視聴させた。 【結果】対照群と介入群における主効果は有意差を認め,二群間の運動観察後のボール回転数に有意差が認められた。 【結語】徐々に速度が上昇する動画は,両手間転移を引き起こしたことから,高次運動野領域でシミュレートされる可能性が示唆された。従って,運動観察を治療介入として用いる場合には,ゆっくりとした動画から徐々に速度を上げていくことで,効果が期待できる可能性が示唆された。
ISSN:0915-2180
2189-5686
DOI:10.15049/artsjpta.27.0_1