臨床研修歯科医の従来型ファントムとSIMROIDを用いた齲蝕処置と精神的ストレスの評価
目的:本研究の目的は,研修医の齲蝕処置と精神的ストレスの評価をヒト型患者ロボットシミュレーションシステム(SIMROID)と従来型のファントムを用いて行うことである. 方法:齲蝕付人工歯を装着した精巧な外観と表情変化を示すSIMROIDを用いて,簡易シナリオを導入し,MIDの概念により齲蝕除去をさせ,齲窩の開拡と感染歯質の除去を行い,除去後の窩洞外形の大きさ(面積)を測定した.また,齲蝕除去の際のストレスについて唾液α-アミラーゼ活性値を用いて計測し,従来のファントムを用いた場合と比較検討した. 結果:齲蝕を完全に除去できた研修医は14名のうち,歯頸部齲蝕ではファントムが9名で,その窩洞外形の...
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Veröffentlicht in: | 日本歯科保存学雑誌 2021/10/31, Vol.64(5), pp.332-338 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:本研究の目的は,研修医の齲蝕処置と精神的ストレスの評価をヒト型患者ロボットシミュレーションシステム(SIMROID)と従来型のファントムを用いて行うことである. 方法:齲蝕付人工歯を装着した精巧な外観と表情変化を示すSIMROIDを用いて,簡易シナリオを導入し,MIDの概念により齲蝕除去をさせ,齲窩の開拡と感染歯質の除去を行い,除去後の窩洞外形の大きさ(面積)を測定した.また,齲蝕除去の際のストレスについて唾液α-アミラーゼ活性値を用いて計測し,従来のファントムを用いた場合と比較検討した. 結果:齲蝕を完全に除去できた研修医は14名のうち,歯頸部齲蝕ではファントムが9名で,その窩洞外形の面積は8.55±2.24mm2であり,SIMROIDは6名で,窩洞外形の面積は7.20±1.80mm2であり,ファントムとSIMROID間に窩洞外形の面積の大きさに有意差はなかった(p>0.05).遠心面齲蝕除去部ではファントムが7名で,10.27±2.09mm2,SIMROIDは6名で,9.67±3.45mm2であり,ファントムとSIMROID間に有意差はなかった(p>0.05)が,研修医の多くは必要以上の大きな齲窩の開拡を行っていた.従来のファントム,SIMROIDともに,唾液α-アミラーゼ活性値が46kU/l以上の値を示し,ストレスありと判定された者は14名中8名であった. 結論:齲蝕除去の成績評価では従来のファントム,SIMROIDともに,齲蝕除去時間を10分間としたためか,時間内にできなかった者が多数存在した.さらに,実習終了後のアンケート調査から,SIMROIDを使用した実習は日常の臨床に近い状態で,患者の挙動に気を配る重要性が認識でき,医療安全確保に対する訓練として有効であったとの意見が多かった. |
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ISSN: | 0387-2343 2188-0808 |
DOI: | 10.11471/shikahozon.64.332 |