歯内-歯周疾患Ⅰ型病変を再考する

「はじめに」 日常の臨床で, 歯内-歯周疾患は比較的身近な疾患である. 一方, 歯内-歯周疾患の治療の難易度が高くなるのは, 通常, 歯内疾患と歯周疾患の両方に類似した臨床症状を示す病変として観察されるため, 原因病変を明確に判断できなくなることにある. AAEガイドライン(2017年版)においても, 歯内-歯周疾患は高難度の治療であることが示されている. 一方, 根尖性歯周炎を原発とする根分岐部病変は, 複雑な根管系がその要因となることが報告されている. 特に髄管をはじめとする副根管が根分岐部病変の発症と密接に関連していることが示唆されている. また, 複雑な臨床症状を示す歯周疾患の治療に際...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2021, Vol.64(2), pp.101-106
Hauptverfasser: 阿南, 壽, 松﨑, 英津子, 水上, 正彦, 廣瀬, 陽菜
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「はじめに」 日常の臨床で, 歯内-歯周疾患は比較的身近な疾患である. 一方, 歯内-歯周疾患の治療の難易度が高くなるのは, 通常, 歯内疾患と歯周疾患の両方に類似した臨床症状を示す病変として観察されるため, 原因病変を明確に判断できなくなることにある. AAEガイドライン(2017年版)においても, 歯内-歯周疾患は高難度の治療であることが示されている. 一方, 根尖性歯周炎を原発とする根分岐部病変は, 複雑な根管系がその要因となることが報告されている. 特に髄管をはじめとする副根管が根分岐部病変の発症と密接に関連していることが示唆されている. また, 複雑な臨床症状を示す歯周疾患の治療に際しては, まず, 的確な検査および診断を行うことにより原因病変に対する処置を行うとともに, その複雑な病態についてわかりやすく説明することが肝要と考えられる.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.64.101