根管治療の1回法と多数回法の違い: 文献的考察

「緒言」根管治療の1回法(根管形成から根管充填まで1回で終了する方法)は, 海外の文献では1970年に報告されている. そして1978年には1回法と多数回法を比較した最初の報告がなされた. 国内の文献ではそれより少し早い1968年に, 1回法に関する報告がされている. そして1972年には1回法と多数回法を比較した最初の報告がされている. 1978年に報告された海外での最初の論文では, グループをランダムに分けたと記載されているが, 具体的にどのようにランダム化したのか詳しくは記載がなく, 抜髄根管か感染根管なのかが詳しく記載されていない. 症例数は135と195で十分な数ではあるが, 予後経...

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Veröffentlicht in:日本歯科保存学雑誌 2019, Vol.62(6), pp.255-259
Hauptverfasser: 木村, 裕一, 山田, 嘉重, 車田, 文雄, 佐藤, 穏子, 山崎, 信夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「緒言」根管治療の1回法(根管形成から根管充填まで1回で終了する方法)は, 海外の文献では1970年に報告されている. そして1978年には1回法と多数回法を比較した最初の報告がなされた. 国内の文献ではそれより少し早い1968年に, 1回法に関する報告がされている. そして1972年には1回法と多数回法を比較した最初の報告がされている. 1978年に報告された海外での最初の論文では, グループをランダムに分けたと記載されているが, 具体的にどのようにランダム化したのか詳しくは記載がなく, 抜髄根管か感染根管なのかが詳しく記載されていない. 症例数は135と195で十分な数ではあるが, 予後経過は半年から2年の期間である. 結論として, 治癒に関して有意差はなかったが, 術後の疼痛の発現に関しては1回法のほうが有意に多かった. 一方, 国内で最初に比較した論文では, 後ろ向きの研究で過去の診療録から抜髄症例での1回法と2回法を比較すると, ランダム化比較研究ではないものの, 2年間の経過観察では1回法(376症例)の26.3%にエックス線検査で透過像が認められたが, 2回法(169症例)では8%に認められたのみであったと報告している.
ISSN:0387-2343
2188-0808
DOI:10.11471/shikahozon.62.255